問題の多い新聞購読契約

無料法律相談「悪質新聞販売110番」に寄せられた情報。新聞購読の契約でお断りステッカーを無視した勧誘を行い、書面不備、年先の先付契約、過剰な景品の約束(5>年後)など問題の多い契約をさせている

○2018年10月

A新聞販売店による購読契約の勧誘に関し,次のような問題があるとの情報提供を受けました。

  1. 訪問販売お断りステッカーを玄関に貼付している住宅を訪問して新聞購読契約を勧誘しており,奈良県消費生活条例に違反している疑いがある。
  2. 契約書に販売価格の記載がなく,特定商取引法に違反する。
  3. 購読開始を5年後とする先付け契約の勧誘がなされており,生駒市消費生活条例に違反する疑いがある。

○2018年10 月23日

事実関係について照会を行う「お問合せ」をA販売店に送付しました。 

○2018年11月8日

A販売店から「回答書」を受領。回答内容は以下のとおり。

  1. 訪問販売に関する法令等を順守することをスタッフに指導しており今後も徹底する。
  2. 新聞購読の契約時に使用している景品は原則として景品表示法・新聞取引公正競争規約に定められた景品を使用している。
  3. 勧誘時には当月からの開始を提案しているが、現在購読している新聞との重複を避けたいなどの要望により1年以上先の契約を結ぶ場合もある。
  4. 契約書面の販売価格の明示は,スタッフに指導徹底をしており、今後も徹底する

○2018年11月21日 

法令遵守等を徹底するとの回答であるが,当法人の照会内容について正面から回答していないため、以下の内容の申入れ書を送付しました。

  1. 「訪問販売お断りステッカー」について見落としのないよう確認作業を徹底すること。
  2. 景品の提供については、景品表示法・新聞取引公正競争規約を厳守すること
  3. 1年以上先の契約締結は、契約期間の重複を避けるケースは考えにくく、高額な景品提供や、強引な勧誘で断り切れずに契約してしまうことが考えられる。1年分を超えたり、1年以上先から履行が始まるなど消費者を不当に長期間拘束する契約を原則として禁止している生駒市消費者保護条例を遵守し、規制に違反する高額な景品を提供しないこと。また、違約金等を支払うことなく消費者に中途解約を認めること。

○2018年12月

期限までに回答がなかったため,前回の回答内容を踏まえ申入れに対して異議がないものとして活動を終了することにしました。2019年1月9日、A販売店に「終了通知」を送付しました


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